ハンター×ハンターの検証 ヒソカVSクロロ戦についての考察
前回投稿してからだいぶ間が空いてしまったorz
とりあえず続きです
最大の謎
ヒソカVSクロロのくだりを読んで「ちょっとおかしいな」と思ったのが、ヒソカはなぜクモの団員を狩ることを決意したのか?という事でした
巻末で作者が「今回の闘いの反省と復讐を踏まえて」とコメントしています
闘いの反省はわかるのですが復讐とは?
個人的な感想になるのは百も承知のうえで言うと、ヒソカは自ら望んでクロロに闘いを挑みそして負けました
蘇生できたのはたまたま、というかご都合主義によるものと言えますが、デスマッチを受けた以上負ければ次はないわけだし、ヒソカが求めていたのは純粋なタイマンであったはずです
ヒソカの性格的にタイマンで負けたから復讐を、というのは単なる逆恨みでしかないのでやっぱり違和感があるんですよね
それでも巻末コメントで”復讐を”と書いてある以上はやはり復讐なのでしょう
しかしその動機はタイマンで負けたことに起因しているわけではないというふうに考えています
復讐の要因
では何が復讐の要因となっているのかちょっと考えてみます
上でも書きましたがヒソカが望んでいたのは純粋なタイマンのはずです
しかしヒソカはこれが純粋なタイマンではないと気づいたのが、復讐を決意するものとなったのだと思っています
複数の能力を使う事が純粋なタイマン?
クロロはこの闘いでスキルハンターを含め7つの能力を使っています
しかもそのうち自分自身の能力はスキルハンターとダブルフェイスのみで、あとは盗んだ能力です
これが純粋なタイマンではないと判断したのでしょうか?
答えはノーでしょう
クロロのスキルハンターが他人の念能力を使えることは前もって知っていたわけだし、ヒソカもバンジーガムとドッキリテクスチャーの2つの能力が使える以上、使える能力の数は問題とは考えづらいです
他人の能力を使えるのはズルくね?という考えもできるかもしれませんが、クロロの能力自体がそういう能力である以上、そこにクレームをつけるのはナンセンスだと思います
協力者がいた
ヒソカがクモの団員たちに対し復讐を決意させたのは、タイマンを望んでクロロもそれを承知したように見せかけておきながら実はクモのメンバーが今回の闘いに協力していたことに気づいたから、というのが一番しっくりくるように思います
ただ、その協力というのは能力を貸したことではなく、あの闘い自体に参加していたから、というのが私の見解です
ではそんな描写があったのか?というと、その証拠となるような決定的な描写はされていませんね
ですがそれを示唆する場面はあります
糸の存在
クロロとヒソカが最初に観客席に飛び込んだ場面で
いつのまにかアンテナが無い・・・
シャルのアンテナは実物のはず・・・?
釣り糸でも結んでおいて引き寄せたか・・・HUNTER×HUNTER34巻 353話「冷徹」より
というのがあります
糸と言えばマチですね
あれだけ人が多ければ観客にまぎれる事は可能だろうし、能力説明をしている時にマチの糸に関してはクロロは言及していません
クロロはウソを言っていないとすると、借りた(盗んだ)能力ではないからクロロは能力説明の場面で糸のことについて言及していなくても何ら問題はないし、だからこそこのセリフがマチによるサポートを示唆していると言えます
このヒソカのセリフはこの段階ではクロロとのタイマンを信じていたからこそのセリフであって、それと同時に読者に対するミスリードの要素でもあったのではないかと考えています
コピー(人形)の数の読み間違い
355話の「爆破」でクロロが2回目の観客紛れ込みをした際に、ヒソカはコピーの数は当初の予定より少なめで20~30体と予想していたにも関わらず約200体のコピーが襲い掛かっています
これを”ヒソカが計算を間違っただけ”、というのは簡単ですが、私はそうではないと思います
大前提としてトップレベルの能力者同士のバトルで、単なる計算違いがもとで負けてしまうような展開を作者が良しとするだろうか?という点が挙げられます
ヒソカの分析は恐らく正しい、けれどもクロロがそれを上回る策を用意していた、と言う方がよりしっくりくると思うのです
ではどんなことをしたのかというと、コルトピに能力を返してコピーを作成させた、というものです
これなら1対1で闘っていると思っているヒソカの想定を大きく超えたコピーを用意できると考えられます
ちなみにヒソカの分析では
- ギャラリーフェイク発動
- 栞で固定
- 大量のコピー製造
- サンアンドムーン発動
- コピーに太陽の刻印を押す
- 能力解除
- オーダースタンプ発動
- 「ヒソカを壊せ」と命令
だとしています
このうち1~3をコルトピが行っていれば、クロロはサンアンドムーンとオーダースタンプのみに集中できるし、能力の出し入れ自体にも時間がかかるのだから、その分ヒソカの想定以上の数のコピーを作れる説明がつくと考えています
とはいってもヒソカの計算上の爆破人形約30体と実際に襲い掛かった200体とでは、まだ数に乖離がありますね
能力使用の順番
ここは完全に個人的な想像の範疇の話となりますが、ヒソカ撃破のためにやったことは以下の事だと思います
まずはコピーを襲撃役と爆破役の2つのグループに分けて考えます
- 一度目の観客席飛び込みの際にギャラリーフェイクをコルトピに返す
そのあとコルトピはコピー量産
- 襲撃役の200体を作成するためオーダースタンプ使用
オーダースタンプを使ったのは、コンバートハンズで作ったクロロの偽物を破壊してからそのあとにヒソカに襲い掛かるまでの時間を使ったのであろうと考えています
スタンプを押すだけならわずかな時間でもできるであろうとの考えです
それから会場用のアナウンスに切り替えてさせて「ヒソカを壊せ」と命令した後に、コルトピがコピーしていた残りの人形を使って
- 最大威力の爆弾人形を作って待機
させておいたのではないでしょうか
ですので順番に列記すると
- ギャラリーフェイク返却(それ以降コルトピがコピー増産)
- サンアンドムーンで能力を固定した人形と共にヒソカと肉弾戦(ヒソカの手爆破用の爆弾はこの時作成)
- 人形を1体にされていったんオーダースタンプ解除
- コンバートハンズで作った偽物をブラックボイスで操作
- 襲撃役のコピーにオーダースタンプを押して待機
- 会場用マイクで「ヒソカを壊せ」と命令
- 最大威力の爆弾人形をサンアンドムーンで作成
- 2階で爆弾人形にオーダースタンプで「すぐそばで自爆しろ」を指示
とすると説明ができるのではないでしょうか
携帯で誰に指示を送っていたか
ヒソカの手が吹き飛んだ場面で、クロロは携帯で指示を送っています
「そうだ そこでいい」
~中略~
「しゃがめ」HUNTER×HUNTER34巻 353話「爆破」より
これは一見するとコピーに指示を送っているように見えますが、マチかコルトピかシャルナークに指示を送っているという方が、説明がつくと思います
というのも「そうだ そこでいい」はともかく「しゃがめ」が爆破行動に結びつくとは考えづらいからです
闘いの終盤で2階に上がった爆弾人形に「すぐそばで自爆しろ」という命令をしている場面があるように、人形に爆破させるならわかりやすい指示をさせるのが普通だと思います
「しゃがめ」と指示したらしゃがむ事はできても、それがプラスとマイナスの刻印を押す動作につながるのでしょうか?
むしろ3人のうちの誰かに指示を送っていたと考える方が妥当だと思います
姿かたちは、
- コンバートハンズで観客とクロロを入れ替え
- 入れ替わったクロロと蜘蛛メンバーと入れ替え
と言う風に2段階で行えばカモフラージュできます
まとめ
糸の存在、コピー(人形)の数の読み間違い、携帯で誰に指示を送っていたかを考えると、純粋なタイマンと見せかけておいて実は複数人で闘っていたことに気づいたからクロロがクモへの復讐として団員たちを始末する決断をした、というのが私の見解です
気づいたのは蘇生した時でしょう
ヒソカとの会話で「戦う相手と場所はちゃんと選ぶ事だね」の後のヒソカの顔と真っ黒な背景の描写が、何かに気づいたことを著わしているように見えます
マチがいたこととその発言によって、糸の存在とマチが本来はタイマンのはずの闘いに参加していたことが結びついてしまったのだろうと。
もしあの場にいたのがコルトピかシャルナークなら、(たとえ参戦を隠していたとしても)能力を返してもらうためにその場にいた、というウソが成り立つのですが・・・。
以上がクロロVSヒソカの闘いで感じたものです
それともう1つ、
「闘う時相手と場所を選ばない事にした クモは・・・ね」
とのセリフからもヒソカの性格がクモ以外には相手と場所を選んで闘う事を宣言しているようなものですよね
そのスタンスを変えてまでクモを狩るという事は、要するにヒソカの純粋な想いをクロロが踏みにじったから復讐する、といった考えが的外れではないのではないでしょうか
今後ヒソカとクモの関係と重要キャラの一人であるクラピカがどのように絡んでいくのか大変楽しみにしています
この考察前提となる能力について説明しているのはこちらです
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